お義父さん、そんなにゴーヤーはいりません

近所に住む義父がゴーヤーを持ってきた。今月に入ってこれで3回目だ。わざわざ持ってきてくれたのだから礼を言うが、私の顔はひきつっている。袋の中身を見ると立派に大きく実ったゴーヤーが3本入っていた。どうしよう。
冷蔵庫の中にはまだ5本のゴーヤーが入っている。

 

 ゴーヤーは確かにおいしい。苦みがあるが、その苦味が食欲をそそる。特に豚肉や豆腐と相性がよく、我が家ではゴーヤーはほとんどチャンプルーでしか食べたことがない。夏の暑い時期にはビタミンCがたっぷりのゴーヤーは無くてはならない野菜と言える。しかし、子どもは大嫌い。

 

 ゴーヤーが嫌いな子供を責めるつもりはない。私だって子供の時は嫌いだった。大嫌いだった。普通においしく食べられるようになったのは30歳を過ぎたころからだから、子どもがゴーヤー嫌いでも仕方ないとは思っている。子供も食卓に出せば、嫌いながらも一口、二口は食べるのでかえってその姿がいじましい。だからゴーヤー料理を作るのは大体週に1回がいいところだ。それなのに、義父は毎週のようにゴーヤーを持ってくる。

 

 どうしたものか……。確かに実ったゴーヤーをなったまま腐らせるわけにはいかないという義父の気持ちもわかる。だが、結局使い切れなかった大量のゴーヤーは我が家の冷蔵庫で腐っていくのだ。「あの、うち、まだたくさんゴーヤーが残っていて……」と言っても、耳の遠い義父には違う言葉として聞こえるらしく、「たくさんなって大変だから、食べてくれてうれしい」と言われた。ゴーヤーのピクルスを作ってみたが、これは夫に不評だった。友人におすそ分けしようにもうちと同じ事情だったら迷惑に違いないと考えるとそれも出来ない。冷蔵庫の中でだんだんしなびていくゴーヤーを見ながらため息を吐く毎日である。